月の初めは映画の日。1,000円。そこで「天然コケッコー」(山下敦弘監督/2007)だ。
新宿武蔵野館、平日とは言え満員。若者から中高年まで観客はさまざま。満員でも私語もなく、久しぶりに充実した心地よい映画鑑賞会でした。(つまりみんなで観たなーという満ち足りた気持ちで最後席を立った。)
その感動でkjはプログラムだけでなく売店でくるりが歌う主題歌も買ったが、家で聴こうとCDの封を切ったらなんとby rei harakami のオリジナル・サウンド・トラックだった。(サウンドトラックと主題歌の2種類あったのを女店員さんが間違えたのだ。コンチクショウ!)サウンドトラックのが2100円で600円高いのだが、もちろん全然得した気がしない。「何とかの三角~」という主題歌が聴きたかったのに、、、取替えに行くにはまた電車賃がかかるし、泣き寝入りか、、、シュン。
「社長!くるりの主題歌が入っていません!(レーハラカミ)」というコピーがこのサウンドトラックCDケースの腰巻に書かれてて実に虚しい。
頭きた。頭きたついでに、その腰巻に書かれている<物語>のあらすじをここで引用しましょう。
<全校生徒たった6人の田舎の分校に通う中学2年生の右田そよ。ある日、東京から大沢広海が転校してくる。そよ達の知らない言葉と、都会の匂いを放つかっこよい大沢。初めてできた同級生との、楽しく過ごす毎日に、期待に胸膨らませるそよ。面倒見のいいそよとは正反対でちょっと意地悪でとっつきづらい大沢。そよと大沢と子供たちは、山の音や水田からの風、自然が見せる不思議な力に、驚き、喜び、笑い転げながら毎日を過ごしていく。>
とまあ、こんな調子である。
「天然コケッコー」。タイトルの通り、ピュアでナチュラルな、ゆるい、ゆるい、本当に暖ったかな映画でした。
きっとその理由は、ひとつ目は、萌え(KAHO萌!)。二つ目は四季折々の里山の風物の移ろい。三つ目は無理な筋書きのない子供たちの村と学校での平凡な日常。
現実は過疎。しかしそこでの地縁血縁の濃密な人間関係や信頼関係のなかで人々は幸福に生きている。今の都会の日本人が失った世界だ。その世界のいいとこだけを出し惜しみせずにこの映画はたっぷり描ききった。
最後に、脚本を担当した渡辺あや(ジョゼ、メドン・ド・ヒミコの脚本担当)さんの言葉。
「私の思う文化とは、誰かのそれを一緒に盛り上げるお手伝いをするものです。「天然コケッコー」を映画に出来るなら、観たことによって、誰かの退屈な視界が一気に彩度を増すような、そんな作品を目指したい考えています。」(プログラムより)