昨日は三渓園内のお寺を貸し切って行われていた「小山峰子展」に朝行った。
9時に着いた。台風一過夏空が戻った暑い一日の始まりであった。小山さんはエンジ系の赤いワンピースを着ていて、どことなくアーチストぽっかった。絵の具には、にかわとかが使われていて、モノトーンの色調であった。箱に描かれていた。彼女のご両親が初日に名古屋から見に来られて母はその箱をいす代わりに欲しいと言ったそうだ(すごい)。絵には小さな丸がいくつも描かれていて、おそらく大きい絵には数千の丸が描かれていただろう。(職人芸を思わせた)(あるいは地質学上のフズリナの化石が無数に入った石灰岩の表面を連想させた。)
大学の教え子の学生さんも二人して見に来ていた。彼女はポラロイド写真で記念写真を撮った。
奥へ行くと、お寺の本堂をギャラリーと見立てたわけで、その行き止まりの表示用に石が4つ置かれていた。男なら1個だけど、私は女だから作った分全部並べてみました、という彼女の言い草は理解不能であった。とにかくこぶし大ほどの石4個だ。あげましょうかと言われたのでもらうことにした。形の一番いびつなのを手にとって選んだ。相模川で取ってきたという。(なにやら「無用の人」を連想した。)棕櫚で編んだ紐で十字に結わかれていて、おつだと思った。
こういうもらいものはめったにないが、先々月銀座ギャラリーSOLで催された「中根秀夫展」に行ったおり、オルガニート・オルゴールの奏でるDVD作品を見て気に入ったと本人に後日話したら、差し上げましょうと言われそのDVDを頂いた。そのオルゴールには逆弾きの「子供の情景」(シューマン作)が奏でられていた。(すごい着想!)もうけものであった。
小1時間ほどでおいとまし、池のハスの花を観賞してから園を後にした。バスがなくて、炎天下に本牧まで歩いた。バス停を見つけ、来たバスに乗った。根岸駅行きだった。しかし本牧ふ頭とか日産とか三菱重工の工場をぐるぐるまわって根岸駅まで30分以上かかった。なぜか運転手さんは白いマスクをしていた。
根岸から上野までは昼寝をしていたので何分かかったか記憶がないが、12時ジャストに上野に着いた。行きつけの生パスタの店に行った。アメヤ横丁の中にその店はある。トマト味のなすのスパを食した。うまかった。その後上野公園を西郷さんの脇から歩いて国立博物館へ。
「プライスコレクション 若冲と江戸絵画」を見た。若冲はすごかった。タイル絵みたいなものやデフォルメされて鶴がまるで卵のように描かれているもの、そして例の鶏が鳳凰のように描かれていた絵を見た。暑い盛りとはいえ多くの人が鑑賞に来ていた。7、8割がたが女性であった。男性は少なかったが、博物館を出て、ベンチに座る人に男性は多かった。時々汗臭い人もいた。
留守電が入っていて、渋谷O-WESTのT氏からであった。夕食でもという話であったが、結局これから出向くから1時間くらい空けてください、ということにした。先日デビューした大光寺圭さんのCDの感想を聞かせてくださいというお願いをしてCDを送っておいたのだ。それと最近の学校や生徒さんの話も聞きたいというので、では早速に、という訳だ。コージーコーナーでゼリーを買って、O-WESTに向かった。途中の上り坂にユーロスペースができていてびっくりした。移転したと聞いていたが、以前の所とはまったく雰囲気の違う立地だ。小津安二郎特集があるらしく「司葉子」という女優の文字が躍っていた。
T氏は相変わらず本音でずばっと言うところが小気味イイ。戦略的にターゲット・オーディエンスを絞り込むような音楽つくりは失敗が多い。歌い手自身が感じたものを聞き手も共感できる曲つくり、その深い感動が多くの人の支持を得るということをT氏は力説した。途中出てきたアーチストの名が今は思い出せないのが、残念であるが、、。kjはやはり音楽の質を向上させるためにも「はこ」がいかに重要であるかを力説した。ライブハウスが今後どのようなメディアミックスを志向していくか?話はその辺に向かってオーバーヒートしそうになったが、4時から打ち合わせがあるというのでそのくらいにして、別れた。
クレストで9月11日にカオルさんのライブがあるっていう。ブリキの街、最期のアジト、、、カオルさんの詩情に久しぶりに触れたいなと、きゅんとなった。9・11、、01・9・11、、、
(おわり)